2017年
「飲み物は何がよろしいですか?」
カフェに入って注文を聞かれた時、皆さんは何とお応えになりますか?
「コーヒーでいいです」「コーヒーがいいです」どちらでしょうか?
どちらも無意識に使う方が多いように思いますが、1文字で意味合いは大きく違います。
「で」:仕方なくコーヒーにしたというような消極的なニュアンス。
「が」:自らが責任をもって(大袈裟ですが…)好んで選んだという積極的なニュアンス。
たった1文字の違いですが、言葉の印象だけでなく、その言葉を使う人への周りからの印象も大きく変わります。
他の例で、「今日はすてきなお洋服ね」「今日も素敵なお洋服ね」いかがですか?
前者で言われると「いつもは違うってこと?」と、ちょっとツッコミたくなりますよね。後者で言われると「ありがとうございます!」と素直に感謝して喜べそうです。皆さんは、意識をされていらっしゃいましたか?
「言霊」というように、自分が投げかける言葉は自分自身や周りへ様々な影響を与えます。自らが発する言葉の意味や大切さを改めて考え、プラスの言葉掛けをしたいものです。特に、保育士そしてこれから保育士を目指す皆さんは、言葉を習得する過程で非常に大事な時期である園児たちのお手本になれるよう、日々気をつけて参りましょう。
今回は、日本食文化についてお話したいと思います。
というのも、私は大阪ユネスコ協会の専門委員を務めており、この度「なにわの伝統食文化」をテーマに、来年1月創立70周年記念事業を行うことになったので、今回はこのテーマを敢えて。
皆さんもご存じの通り、2013年「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されました。和食が、自然を尊重する日本人の気質を表現し、伝統的な習わしとして世代を超えて受け継がれていることを評価されたのです。改めて和食の特徴を見てみましょう。
和食の4つの特徴(農林水産省のHPより引用)
(1)多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
日本の国土は南北に長く、海、山、里と表情豊かな自然が広がっているため、各地で地域に根差した多様な食材が用いられています。また、素材の味わいを活かす調理技術・調理道具が発達しています。
(2)健康的な食生活を支える栄養バランス
一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスと言われています。また、「うま味」を上手に使うことによって動物性油脂の少ない食生活を実現しており、日本人の長寿や肥満防止に役立っています。
(3)自然の美しさや季節の移ろいの表現
食事の場で、自然の美しさや四季の移ろいを表現することも特徴のひとつです。季節の花や葉などで料理を飾りつけたり、季節に合った調度品や器を利用したりして、季節感を楽しみます。
(4)正月などの年中行事との密接な関わり
日本の食文化は、年中行事と密接に関わって育まれてきました。自然の恵みである「食」を分け合い、食の時間を共にすることで、家族や地域の絆を深めてきました。
日本の伝統的な食文化が世界に認められたことは、誇らしいことですが、日本人である私たちが、実は和食について知らないことが多かったり、軽んじたりしているのが現状です。また最近では、食生活も欧米化し、子どもたちも伝統的な日本食に触れることが少なくなっています。子どもたちに、お正月や桃の節句など、年中行事を通して、この伝統的な日本の食文化を伝えていくためにも、保育者が改めて和食の素晴らしさを見直していきたいものです。
最近、「ハロウィン」を行事として取り入れていらっしゃる保育園が増えているようです。各家庭でも、ジャックオーランタンなどカボチャの置物や飾りつけをされている方も多いのではないでしょうか?
皆さんは「ハロウィン」の本当の意味をご存じですか?もし子どもたちに聞かれたら、どのように説明なさいますか?
「ハロウィン」だけではなく、「クリスマス」また、日本の行事である「節分」「ひな祭り」「七夕」など保育園では、多くの行事が行われています。子どもたちにとって、これらの行事は、目標を持ち何かを達成することの大切さや、仲間との関わりの中から、思いやりの気持ちや協調性を養うなど、重要な機会となることは勿論のこと、季節を感じ、日本や外国の文化に親しみを持つことが、一番の重要な目的です。そのためには、保育者がそれぞれの行事の意味や歴史、文化背景を理解し、子どもたちに説明できるよう、努めることが大切です。
今回は、子どもたちにも、そして大人が読んでも楽しく興味深い、行事の説明に関する絵本と「ハロウィン」「クリスマス」の読み聞かせに人気の絵本を、いくつか紹介したいと思います。
☆行事に関する絵本
「行事の前に読み聞かせ 年中行事のお話55」チャイルド社/深山さくら著
「行事のおはなし12か月」世界文化社/左近蘭子著
「ぎょうじのえほん」ポプラ社/西本鶏介著
☆ハロウィン・クリスマス
「ハッピー ハロウィン!」講談社/新井洋行著(低年齢でも十分楽しめます)
「ハロウィンドキドキおばけの日!」文溪堂/ますだゆうこ著(4~5歳)
「ツリーさん」講談社/新井洋行著(低年齢でも十分楽しめます)
「クリスマスおめでとう」こぐま社/ひぐちみちこ著(3~4歳から)
「クリスマスの三つのおくりもの 」全3冊 福音館書店/林明子著
(この絵本は手のひらサイズでとても小さいのですが、私が個人的に大好きな絵本です。温かい内容で、子どもたちも夢中に聞き入ってくれます)
上記の絵本以外にもたくさんありますが、これらは実際に私が子どもたちに読み聞かせて、大変好評だったお気に入りの絵本です。機会があればぜひご覧ください。
2017/09/26
保護者との関係構築について 2
保護者との関係構築についての2回目は、安心感・信頼感を持つことができる先生とは? を考えたいと思います。皆さん、具体的なイメージを書き出してくださいましたか?
今回も、保護者の実際の声から、安心し信頼して保育を任せることができる保育士のタイプを考えて参りましょう。
いつも笑顔である、感情に起伏がない、細やかな声掛けがある、言葉遣いが丁寧である、あいさつの声が大きい、保育知識が豊富、誰に対しても態度が同じ、園での様子を積極的に報告してくれる、小さな変化への気づきがある…など、様々な視点でご覧になっています。
信頼される保育士とは、子どもに愛情をもって接してくれることが大前提ですが、保育士の日々の保護者へ向けた関わりが、保護者へ安心感を与え、信頼関係の基礎を構築します。普段の挨拶から、子どもたちの様子、季節の話題など、プラスの言葉掛けで積極的にコミュニケーションをとることを心がけましょう。そうすることで、保護者が保育士に話しやすい・話しかけやすい雰囲気を作ることもできるのです。また、保護者から話しかけられたら、話をしっかりと聴くその姿勢をみせましょう。
マンスリーセミナーでもお話しましたが、あいづちやうなずき、共感の言葉を添えることで、聴いている姿勢を伝えることができます。そして、保護者からの質問には、必ず答えをかえしましょう。即座に回答できない場合でも、責任を持って、必ず早いうちに返事を返すことが重要です。その姿勢が保護者に安心感を与え、且つ信頼が深まるのです。
しかし、保護者とのコミュニケーションの大切さを分かっていても、保護者によって話しかけやすい人や、そうでない人もいるのではないでしょうか?苦手意識を持ってしまうと、相手にも自然に伝わってしまうものです。そんな時にこそ、口角を上げて笑顔で、子どもの様子を話題に思い切って話しかけるようにしてみましょう。保育者側がまず、心を開き相手を受け入れることで、信頼関係の第一歩が踏み出せるのです。
保護者とのコミュニケーションが、より理想的な保育を実現させること、そして保護者の支援も保育士の仕事であることを意識し、保護者の良き理解者として、より良い関係構築を心がけましょう。
就業後の心配事の1つに、「保護者との関係構築について」を挙げられる方が非常に多くいらっしゃいます。現役の保育士の中でも、それについては大きな課題でもあります。 保育を行う上で、子どもたちとの関係は勿論のこと、保護者とのより良い信頼関係を構築することで、連携のとれた理想的な保育ができることは明らかです。
では、どのようにその大切な保護者との信頼関係を構築すればよいのか、そのヒントを2回に亘って考えてみたいと思います。
まず、自分が保護者だったら、どんな先生に安心感や信頼感を持つか? 反対に、不安感・不信感を持つ先生はどのようなタイプか?をイメージしましょう。 そして、具体的な言葉で書き出してみることです。 保護者との関係に漠然と不安を抱くのではなく、細かく具体的にイメージし、書き出すことで客観的に理解することができるのです。
今回は、不信感・不安感を抱いてしまう先生のタイプを考えます。以下に挙げるものは、実際に保護者からの声をまとめたものです。
いつも不愛想、笑顔がない、元気がない、服装や髪型、化粧に違和感がある、不潔である、園での様子の報告がない、決めつけで話をされる、話しかけ辛い、頼りない、悩みを相談しても親身になってくれない、保護者によって態度を変える、言葉がきつい…など、様々な視点があり、細かな点においても、保護者は鋭く見ていらっしゃいます。
マンスリーセミナーやコラムでお話している人間関係の5原則(外見・言葉遣い・態度・表情・挨拶)や、相手の立場に立つコミュニケーション視点、また、保育知識や業務知識などの点において、自分自身を振り返って改善するところがないか確認し、コミュニケーションに活かしましょう。
次回は、安心感・信頼感を持つことができる保育士像を考えます。皆さんも具体的にイメージし、書き出してみてください。
2017/07/25
「怒っちゃいけません」はいけません。
今回は8月・10月のマンスリーセミナーにも関係する「怒りの感情」についてお話をしたいと思います。
アンガーマネジメントコンサルタントとして仕事や講座をしていると、怒りの感情に対し、嫌悪感やネガティブな印象をお持ちの方がいらっしゃいます。私たちは今まで、躾として、「怒っちゃダメ」「人前で怒るなんてみっともない」と言われてきましたが、怒りの感情について、教育として学ぶ機会はありませんでした。
その結果、「怒りの感情は悪いものだ」「怒りの感情を持ってはいけない」などと、誤った理解をしたり、子どもたちにも、「怒っちゃダメ!」と間違った指導をしていることがあるのです。
実は、怒りの感情は人間にとってごく自然な感情で、怒りをなくすことは不可能です。
選択理論の提唱者、ウィリアム・グラッサー博士は、「怒りは我々が生まれながらに持っている唯一の感情である」と述べています。我々が心や体に不安や危険が迫った時に、私たちは怒りの感情を使って、それに対応します。怒りは防衛感情とも言われているのです。
例えば、車の運転中に前の車が急にブレーキを踏んだら、「危ない!!」と、一瞬怒りの感情が湧きあがりますね。そうやって、怒りの感情を使って、心と体また、自分の大切なものに迫る危険や不安から、怒りの感情を使って回避しようとするのです。ですから、怒りの感情は決して悪いものではなく、人間にとって自然で必要な感情なのです。
「怒りの感情が悪い」のではなく、怒りを感じた時の表現の仕方、つまり怒り方や、その怒りに振り回されてしまうこと、また怒るものと怒らないものの区別ができないこと、それが問題なのです。子どもたちに指導する際も、「怒ることは悪いことではないよ、でもね、ルールを決めて怒ろうね」と伝えています。
8月のマンスリーセミナーでは、後悔しない怒り方についてのお話を、10月は子供のためのアンガーマネジメントと題しお話します。怒る時のルールもお話します。
是非ともご参加くださいませ。
前回に続き、言葉をテーマに考えたいと思います。
皆さんは日頃から言葉を大切にしていらっしゃいますか?古代日本では、言葉に宿る不思議な力『言霊』を大切にしてきました。私たちが口に出す『言葉』によって、目の前の相手を喜ばせたり、幸せにすることもできれば、一瞬にして苦しめたり、悲しい思いをさせてしまうこともあります。
私たちは普段、コミュニケーションをとる時、主に『言葉』をその手段としています。目の前の相手とプラスのコミュニケーションをとりたければ、コミュニケーションツールの大部分を占める『言葉』を大切に、そしてプラスの表現をすることです。
例えば、こんなシチュエーションを想い浮かべてください。職場で何度も同じミスをしてしまう同僚や後輩に対して、皆さんはどのような言葉がけをなさいますか?
「何でいつも同じ失敗をするの?」と言ってしまえば、相手は「ごめんなさい。気をつけているつもりなんですが…」と謝罪や弁解・言い訳を口にして、「また言われた…嫌だな~」というマイナスの思いを持ってしまいます。それに対し、「どうすれば、失敗を防ぐことができると思う?」と言葉かけをすると、相手の反応はどうでしょうか?「確認の方法や回数を変えてみます。」などのように、できるための方法や、前向きで建設的な意見を答えるでしょう。「相手に失敗を防いでほしい」という同じ目的でも、前者と後者の言葉かけの違いで、相手の感情や人間関係にも影響が出てしまうのです。「なんで○○できないの?」ではなく、「どうしたら○○できるのか」というプラスの視点で言葉を投げかけることが大切です。
目の前の相手とプラスのコミュニケーションを取りたければ、思ったその人が、コミュニケーションツールの大部分を占める『言葉』を大切に、プラスの表現をしていくことです。
2017/05/26
言葉のマナー「クッション言葉」
今回は、言葉のマナー「クッション言葉」についてお話ししたいと思います。
「クッション言葉」とは、相手に何かを依頼するとき、また申し出を断る時などに、用件だけをストレートに伝えるのではなく、用件の前に付け加える言葉のことです。この言葉によって、相手に不快感や負担感などを与えず、相手が受取りやすいよう、ソフトな印象で伝えることできるのです。つまりその言葉が、「クッション」の働きをしてくれているのです。
例えば
・しばらくお待ちください
恐れ入りますが、しばらくお待ちいただけますか?
・事情を聞かせください
差支えなければ、ご事情をお聞かせいただけますか?
・それはできません。
あいにくですが、そのようなことはいたしかねます。+代替案
・お迎えの時間を早めてください。
お忙しいとは存じますが、お迎えの時間を早めていただけますか?
・話を聞きます。
よろしければ、お話をおうかがいいたしましょうか?
などというように、状況に応じた「クッション言葉」を使います。
また、依頼する場合は、「○○してください」と命令形で伝えるのではなく、相手に委ねる依頼形「○○していただけますでしょうか?○○していただけますか?」にすることによって、より柔らかな印象を与えることができ、相手が受取りやすくなります。
相手への思いやり・気遣いを言葉で表現することが、言葉のマナーです。適切な「クッション言葉」を使うことで、より良いコミュニケーションを心がけましょう。
2017/04/25
「ホウ・レン・ソウ」の大切さ
仕事をする上で、情報の共有は欠かせません。そのために必要なことが『ホウ・レン・ソウ』(報・連・相)です。
「ホウ=報告」「レン=連絡」「ソウ=相談」が大切なのです。
保育現場において、必要な「報告」が遅れたり、事務的な「連絡」をし忘れたり、自分が分からないことを「相談」せずに勝手な判断で行うことはマナー違反であり、大きな事故や問題につながります。
『報告』は、仕事の進捗具合や状況、結果などを知らせます。事実と主観を分け、催促をされる前に自ら早めに報告します。また、ミスや悪い結果は言いにくいものですが、そんな時こそ必ず早めに報告をしましょう。早急に対処することで、最小限の迷惑や被害に抑えることができるのです。
『連絡』は、業務に必要な情報や事実を関係者に伝えます。6W3Hを念頭に、伝えるべきことを漏れなく正確に伝えましょう。「伝えたつもり」は危険です。自分は伝えたと思っていても、相手には伝わっていないこともあります。重要性・緊急性のあるものは、特に早く確実に伝えましょう。
『相談』は、自分で判断できない場合、困った時に指示やアドバイスをもらいます。不安な時は自分勝手な判断をせず、必ず早めに相談をすることが大切です。相談する際は、すべてを頼るのではなく、「私はこう考えるのですが、いかがでしょうか?」など、自分なりの考えを持ち相談します。そして、相談したことが解決した時は、その報告とお礼を伝えましょう。
保育現場は特にチームワークが大切です。各自が責任を持って『報・連・相』を行うことで、小さなミスから大きな事故や問題まで防ぐことができるのです。『ホウ・レン・ソウ』の合言葉を忘れずに!
2017/04/07
仕事を通しての「3つの幸せ」について
今回でコラムを書かせていただいて12回目となります。いつもお読みいただきありがとうございます。本年度の締めくくりは、『3つの幸せ』のお話をご紹介いたします。
イエローハットの創業者 鍵山秀三郎さんが、ご自身の講演の最後になさった心に残るお話です。
『幸せには三つあるといわれます。一つ目の幸せは、してもらう幸せ。二つ目は、できる幸せ。そして三つ目は、してあげる幸せ。三つの幸せの中でも、もっとも大きな幸せが、してあげる幸せです。 人に物を差し上げる、何かして差し上げる、相手の喜ぶことをして相手の喜びを我が喜びとする。この幸せを大事にしていただきたいのです。』(鍵山秀三郎「一日一話」PHP研究所より引用)
いかがでしょうか?私はこの3つの幸せは仕事を通して感じることができると考えています。
保育の仕事において、「職場の仲間、子どもたち、保護者から『与えられる=してもらう幸せ』」、「仕事を通して達成感を味わい、さらにモチベーションを高めて自己成長していく、つまり『できる幸せ』を感じます。」、「社会に求められる保育の仕事を通して、未来を担う大切な子どもたちの、そして保護者の支えや力となり、みんなに喜んでいただける、つまり『してあげる幸せ』です。」
『働く』ことの意義とは、自身の私利私欲のためではなく、社会参加をし、自分の行う仕事によって、喜んでくださる人、助かると感じてくださる人、救われる人がいることをしっかりと認識し、求められる役割を果たすことであり、それによって自分自身が、非常に大きな幸福感を得られることができるのだと確信しています。
『3つの幸せ』特に、『してあげる幸せ=与える幸せ』を大切にすることで、自分や周囲、そして社会を、もっともっとhappyにすることができるのではないでしょうか?
2017/02/27
「聴き上手になる ~聴き方のポイント~」について
皆さんはコミュニケーションをとる時、『聴き方』について意識をされたことがありますか?
コミュニケーションにおいて『聴き方』は非常に大切で、『聴き上手』は相手との信頼関係をより深めると言われます。それは対大人でも、子どもでも同じことです。
ポイントは、まず相手を受け入れること、ポジティブな感情で素直に聴くことです。次に、会話の途中で口を挟まないこと。自分の意見があっても途中で割り込まず、一通り聴いてから話すことです。それから特に重要なことは、共感すること。そして、その共感や聴いているということを、言葉や表情、態度で表すことです。そうすることで、話し手は「自分のことをわかってもらえている、話を聴いてもらっている」と感じることができ、聴き手に安心感と信頼感を持つのです。
話し手は自分の話、気持ちを分かって欲しいから話すのだということを、覚えておきましょう。さらに、相槌も効果的です。同じ相槌の繰り返しより、「そう、なるほど、すごいね…」など、相槌にバリエーションを加えることで、話し手もより話しやすくなります。皆さんの周りで、「この人と話をしていると楽しい」と感じる人を思い浮かべてください。きっとその方は、上記にお話した『聴き方』をなさっていると思います。
単に『聞く』ではなく、相手に興味を持って心から『聴く』ことで、より深く豊かなコミュニケーションをとることができるのです。
2017/01/20
「キッズのためのアンガーマネジメント」について
アメリカでは、アンガーマネジメントを子どものうちから学ぶべきトレーニングとして考えられています。日本においても近年、学校教育の中にアンガーマネジメントを「感情理解教育」として、その取組みを行う学校が増えています。子どもたちのアンガーマネジメントでは、 怒りを反射的にぶつけず、自分の感情に振り回されることなく、感情を上手に表現する方法を主にトレーニングします。
そのためにはまず、自分の持つ様々な気持ち・感情を知ることから始めます。幅広い感情の種類や、それに伴う表情・体の変化を知ったり、其々の感情に当てはまる言葉があることを知ることで、自分だけでなく、他者の感情の変化を理解することができるようになります。
子どもたちが、アンガーマネジメントを実践し、怒りの感情と上手く付き合えるようになると、人を傷つけず、自分を傷つけず、物を壊さずに、自分の要求や感情を適切に相手へ伝えることができるようになります。小さな頃からアンガーマネジメントの知識を持ち、実践していくことは、生涯において健全な人間関係を構築することに繋がり、さらに自分の感情に責任を持つことは、行動の選択を自分の責任で行うことに繋がります。思春期になって感情コントロールの問題が顕在化する前に、幼児期の子どもたちへの感情理解教育(アンガーマネジメント)は非常に重要であり、明るい未来・社会を創るためにも、今後ますます求められることと確信しています。
アンガーマネジメントを理解するための講座が2月11日(土)当センターで開催されます。アンガーマネジメントの基本を理解し、日々のイライラや怒りの感情と上手く付き合うテクニックもお伝えします。ぜひこの機会に、アンガーマネジメントについて学んでみませんか?皆様のご参加をお待ちいたしております。